建設中の中央環状新宿線山手トンネル(渋谷線~新宿線)の間にある4つの換気所の中のひとつ、代々木換気所が今回の講座開催場所です。山手通りの中央分離帯に建つ高さ45メートルの換気塔は、「周辺環境との調和」「圧迫感の軽減」「1日の時間の移り変わりによる光と影の影響も配慮」という目線でデザインされており、換気塔としてはあまり例のない2008年度「グッドデザイン賞」を受賞しました。

山手通りの工事作業帯でヘルメットを装着し階段を降りると、この建設現場で働く方々の写真入り自己紹介が貼られていました。温かい笑顔に迎えられさらに階段を下り、換気ファン室にて講座を開始しました。

山手トンネルの概要、シールド工法、換気所設備等の説明の後、いよいよ見学会へと進みます。換気ファンの音を消音するサイレンサーの効果を確認し、風の出口である換気塔の真下に立ち青空を見上げました。山手トンネルが開通した後では立ち入ることができない場所なので、とても貴重な体験だと思います。
山手トンネルの換気所では、トンネル内の空気を電気集塵機にて浮遊粒子状物質SPMを80%除去し、低濃度脱硝設備によりNo2を90%以上除去して、きれいな空気にしてから外に送りだすことを説明しました。

続いて、山手トンネル本線部を歩き、シールドトンネルを施工したあと、あとから「切り開き工法」で造られた出入口の作るための工法の説明を受けながら富ヶ谷料金所まで行きました。
1台のシールドマシンで長い距離を掘っていきたい。出入口やジャンクションなどの分岐点が多い山手トンネルにおいて、この難しい課題に技術者たちが出した答えが「先にシールドトンネルを掘り、必要最小限の区間を後から切り開く」という発案でした。この切り開き工法の実用化により、新宿線の多くの区間でシールド工法を採用する事が出来ました。切開き工法には開削工法と、地上から施工せずに地上の交通の影響がない非開削工法もありますが、富ヶ谷出入口付近に採用した非開削切開き工法である太径曲線パイプルーフ工法は、「ものづくり日本大賞(内閣総理大臣賞)」や「土木学会賞」を受賞しました。

富ヶ谷料金所で折り返して代々木換気所に戻り、質疑応答の後講座を終了しました。受講者の皆さま、最後まで受講いただきありがとうございました。

講座の様子