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東京の地下で首都高を創る

現在、東京の地下深くで首都高速道路の建設が進められています。
今回の特集は、平成22年3月の全線開通を目指す中央環状新宿線の建設工事についてご紹介します。

シールド工法で創られた山手トンネル

シールドマシンの形、その大きさや働きは、これまでもホームページなどでご紹介してきましたが、日常生活では目にすることがないので、想像するのは難しいものです。
「直径13mで重さ約2000tのシールドマシンが地下を掘り進みます」と言われても何だかピンとこないかもしれません。
地下部分の工事は、地表面を開削して行うのが一般的ですが、多くの道路や建物、埋設された電気、ガスなどのライフラインが密集する都内での開削工事が難しいということは、想像に難くありません。
『地上や埋設物への影響が少なく、時間も短縮できる』のがシールド工法です。
始点となる場所に設けられた立坑内で、シールドマシンを組み立てます。立坑には、防護策として、土留め壁を造って土が落ちて立坑が崩れてしまわないよう守り、また薬液を注入し、外部からの水の浸入を防ぎます。
地下深くに現れる立坑という要塞で組み立てられたシールドマシンは目的地へと出発します。

  • シールドマシン

    シールドマシン

シールドマシンはその後ろに、ズラリと後続台車を従え、先頭を行くシールドマシンが土を掘り、セグメントと呼ばれるパーツを組み合わせ、地中の穴をトンネルに変えていきます。
直径13mのマシンが掘った土はどれほどで、いったいどこにいくのでしょうか?
シールドマシンの前面に設置されたカッタービットにより削られた土は、シールドマシン内部に取り込まれ、チャンバーという空間で水と混ぜ合わされ泥水とし、後続設備にポンプ圧送、フィルタープレスという機械で土と水に分けられます。ろ過された水はシールドマシンに戻して再利用し、排出された土は埋め立て用などに利用されています。

山手トンネルを創る技術その1―Uターン施工

中央環状新宿線では、7区間でシールドトンネルが掘られていますが、そのうち5区間でシールドマシンをUターンさせています。
シールドマシンは1台で1km~2kmは掘れるので、延長が1kmに及ばない工区では、工区の終点となる立坑に到達したあと、Uターンさせ、平行する工区のシールドトンネルを掘ることにより掘削延長を延ばしました。
シールドマシン本体には回転できる機能はないため、例えばボールベアリングをたくさん並べた上にシールドマシンを乗せ、ゆっくりと180度回転させて平行するトンネルの始点まで移動する工法を採用しました。
さらに大橋ジャンクション内の大橋立坑では、シールドトンネルが上下の階層構造となっているため、上部トンネルを掘り終わったシールドマシンを下部工区の位置まで吊り降ろしてから回転させるという離れ技が行われました。

  • Uターン施工

    Uターン施工

長い時間をかけてトンネルを造りあげてきたシールドマシンは、トンネルの終点へと到達すれば、その役目も終わり……? いいえ、シールドマシンの役割はこれで終わりではありません。 ゴールとなるトンネルの終点において、最前線で働いてきたシールドマシンは動きを止め、今度はトンネル躯体の一部となって、山手トンネルを支え続けます。

山手トンネルを創る技術その2―非開削切り開き工法

「シールドトンネルが完成したので、後はこの中を整備して開通!」というわけにはいきません。
中央環状新宿線は、一般的には開削工事で行われる区間も、コストダウンのためにシールドトンネル工法で施工しているため、地上にある出入口や他の路線との分岐合流部を後から造らなければなりません。
代々木換気所と神山町換気所の真ん中あたりに位置する富ヶ谷出入口で採用された工法は、平行した2本のシールドトンネルを地上から開削を行わずに地中で切開き、両シールドトンネルを接続して出入口を構築するというもので、非開削切り開き工法と呼ばれています。これにより交通量の多い井の頭通りと交差する富ヶ谷交差点で、既存の車線を確保しながらの施工を可能にしました。
地上部分の開削を最小限にし、富ヶ谷交差点上の160mのうち交差点北側30mを立坑として開削、そこから新宿と大橋(渋谷)の両方向へ非開削工法でシールドトンネルを切り開いていきます。
平行した2本のシールドトンネルを接続するためには、シールドトンネルの間にある土を取り除き、そこに新たな出入口空間を造りだすことになります。

非開削切り開き工法イメージ図

非開削切り開き工法イメージ図

2つの円を、もう一回り大きな円でつなげるイメージをしてみてください。
大きな円は楕円形をしています。楕円形の地上側上半部を掘削断面の上部を保護するために直線パイプルーフで構築します。文字通り、“パイプを並べた屋根”で、パイプルーフを立坑からシールドトンネルと平行方向に押し込んでいきます。
同時に、下半部では片側のシールド内部からもう一方のシールドに向かって併設シールドを接続するための曲線パイプルーフを押し込み、楕円形の底となる部分を構築します。決められた位置にパイプを到達しなければならないので、高い精度が要求される工程です。
パイプルーフの敷設完了後、シールドトンネルのバランスが崩れないようにシールドトンネル内部に鋼製の支保工を立てて変形を防ぎ、地表面の沈下を防止し、完全な止水を行うためにパイプルーフ部の凍結工を行ってから上半部を掘削します。上半部の掘削完了後、鉄筋コンクリートで天井を造り、内部を掘削して壁や床を造ったところで、シールド壁(鋼殻)を切開き、支保工を撤去します。こうして、富ヶ谷出入口が完成しました。

山手トンネルは、池袋~新宿~渋谷の間に位置し、山手通りの真下という条件下で、より既存交通などに影響の少ない工法を、多くの技術者が自分の持つ技術・知識を持ち寄って組み合わせ、試行錯誤を繰り返し生まれた道路です。中央環状新宿線(山手トンネル)には、土木・建築の粋を極めた新しい技術がいたるところに散りばめられているのです。

平成22年3月。中央環状新宿線の全線が開通し、首都圏の流れが地下から変わります。


2009年10月16日 掲載


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特集ページ『東京の地下で首都高を創る』と合わせてご一読ください。

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懐かしい温かさのある下町、葛飾・柴又を行く

映画「男はつらいよ」でおなじみの葛飾柴又は、都心にありながら、その喧騒から離れた静かな下町です。
お出かけには首都高のご利用が便利です。中央環状線の四つ木出口から国道6号を経由して20分程度で葛飾柴又に到着します。江戸川のほとりにある柴又公園駐車広場を利用すれば、1日わずか500円と格安。首都高を利用して、懐かしさと人情に癒やされる柴又散策へ行ってみませんか。
ETC利用なら、日曜・祝日は首都高料金が約30%割引(普通車)になります。

首都高駐車場を有効活用!

駐車スペースが少ない都心部ですが、首都高では、日本橋兜町、日本橋本町、銀座一丁目(白魚橋)、汐留で、24時間、有人管理の駐車場を年中無休で営業しています。
日本橋兜町パーキングは、自動二輪車も駐車可能。高島屋日本橋店でのお買い物による駐車料金サービスもあります。
都心へのお出かけの際、ぜひご活用ください。

首都高の夜を彩るイルミネーション

今年も首都高パーキングエリアを環境にやさしいLEDライトで飾ります。
八潮パーキングエリア、川口パーキングエリアでは、2009年11月27日から2010年1月11日までの年末年始の間、パーキングエリアをイルミネーションで彩ります。大黒パーキングエリアでは、2009年11月7日から12月27日まで「光りの塔」から星の雫が降り注ぐ光の世界でお客様をお迎えします。
皆様のお越しをお待ちしています。

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六本木交差点橋付近では、桁と橋脚の塗り替えと外装板を清掃し、「ROPPONGI」のロゴマークを新しいデザインにしました。また、大師換気所の塔は格子をデザインモチーフとし、換気所の色彩はベージュとし、周辺の状況と大師ジャンクション高架橋との調和を考慮しました。

代々木換気所が首都高講座に初登場!

講座に参加された方からのご要望が高かった「中央環状新宿線」が首都高講座に初登場します。
2010年3月に開通予定の「中央環状新宿線」代々木換気所での様々な環境への取り組みや山手トンネルのシールドトンネル部や切り開き工法といった最新の建設技術について学んでいただく予定です。
募集の締め切りは、平成21年11月6日(金)です。18歳以上のペアで募集になりますので、仲の良いお友達を誘ってご応募ください。