首都高速道路株式会社 オフィシャルサイト

土木学会技術賞(Ⅰグループ)

首都高速さいたま新都心線見沼田圃地区におけるビオトープの整備・育成・管理

首都高速さいたま新都心線は、環境保全地区域の見沼田圃上に高架橋で建設された。この高架下の延長1.7km、面積6.3haに対し、池沼、草地、樹木の3タイプのビオトープを整備・育成・管理し、当地域に元来存在する植生および生物多様性の保全・管理を行っている。日照や降雨量が制限される高架下において、地域本来のビオトープの保全・再生を専門家等による検討意見を踏まえ、モニタリングに基づく順応的な整備・育成・管理に取り組んだモデル的事例である。また、事業者と環境保全を目的とする地域のNGOが協働し検討を行っていることは、プロジェクトの円滑な推進に寄与したばかりでなく、今後計画されている市民参加による管理・活用に新たなモデルを提供することが期待されている。

本プロジェクトは、高架下の特殊な条件のもと、広い範囲に渡ってビオトープ形成という生物多様性を創出したこと、ビオトープに対して当初から計画性があり、地域と協働した取り組みが随所に見られること、および順応的管理のモデル事業として他のビオトープ実施に影響を及ぼすことが考えられることから、環境賞に値するものと認められた。


ビオトープ整備計画図
見沼たんぼビオトープT