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平成22年度全建賞

高速神奈川6号川崎線(殿町~大師ジャンクション)建設事業

高速神奈川6号川崎線は、川崎市南部を縦貫する延長7.9kmの都市高速道路であり、高速神奈川1号横羽線や高速湾岸線、東京湾アクアラインと一体となって高速道路ネットワークを形成し、都市機能充実や環境改善のために重要な役割を担う路線である。

トンネルの設計及び施工にあたっては、地上部の大型車交通や多く地下埋設物が輻輳している等の厳しい施工条件をクリアするため、また、大師ジャンクションとの連結路部の分合流に伴って断面変化するトンネルを非開削工法で構築するため、MMST(マルチ・マイクロ・シールドトンネル)工法を開発し、非開削大断面矩形シールドトンネルを道路トンネルとして世界で初めて採用した。

大師トンネルでは、自動車から排出されるトンネル内の空気から、浮遊粒子状物質(SPM)や二酸化窒素(NO2)を除去する低濃度脱硝装置を設置している。また、大師トンネル内では災害時に避難者が迅速かつ円滑に避難できるように配慮した避難案内施設を設置している。さらに、大師ジャンクションでは、敷地面積の約3分の1を多年草で緑化して周辺環境への配慮に努めている近接路線や沿道状況の面で厳しい施工条件下であるが、これまで実績のない新技術(MMST工法)の導入に挑戦し、事業の完成に至った点が評価され、また、最新の技術を用いた低濃度脱硝設備の配置や、大規模な道路緑化、避難誘導サインにおける工夫など、環境・ユニバーサルデザインに配慮している点が評価された。


  • MMST工法によるトンネル施工手順
  • トンネル内での断面変化
  • 低濃度脱硝設備のイメージ
  • 大師ジャンクションの緑化