RENEWAL

首都高リニューアルプロジェクト
羽田線(東品川・鮫洲)更新

インタビュー「東品川桟橋・鮫洲埋立部更新」の思い出と今後について

「東品川桟橋・鮫洲埋立部更新」を担当する更新・建設局の諸橋雅之局長に、更新・建設局の特徴や、当該事業との関わり、今後への思いなどを聞きました。

諸橋雅之局長

――更新・建設局長に就任された時のお気持ちをお聞かせください。

諸橋 就任前は、長い間、本社計画・環境部で大規模更新事業や新大宮上尾道路など、現在更新・建設局にて実施している事業の立ち上げに携わってきました。
 それ以前には、かつての東京建設局、神奈川建設局に着任し、中央環状新宿線・品川線(現 山手トンネル)や、横浜環状北線・北西線(現 横浜北線・北西線)等の建設事業にも従事してきました。
 この度、更新・建設局長に就任し、自分自身のこれまでの経験の全てを更新・建設事業の推進に捧げられることに大きな喜びを感じるとともに、重責に身が引き締まる思いです。

――当該事業との関わりや、苦労した点など、思い出を教えてください。

諸橋 2014年(平成26年)5月28日に、首都高速道路等の高速道路の老朽化に対応した迅速かつ計画的な更新事業を行うための「道路法等の一部を改正する法律」が成立しました(6月4日に公布)。事業の財源は、料金徴収期間の延長(※1)です。
 会社として大規模更新事業に着手するには、独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」と表記)との協定変更と、国土交通大臣から事業許可の変更(※2)を受ける必要があります。これが、2014年(平成26年)7月に本社計画・環境部の事業計画課長に就任した私の最初の任務となりました。
 一方、東品川桟橋・鮫洲埋立部更新においては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の前に、う回路(上り線)と更新上り線(暫定下り線)を供用し、古い構造物の使用を停止させることを「大きな目標」としていました。そのためには2014年(平成26年)12月に工事の契約手続きに入る必要があり、非常に短い時間で機構や国土交通省との協議を進めることが求められました。
 就任直後の慣れない中、更新事業のほかにも諸々の変更内容があり、調整に苦労しましたが、同年11月17日に機構との協定変更が完了し、11月20日に国土交通大臣から変更許可をいただき、2016年(平成28年)2月より無事に当該事業の工事に着手することができました。
その後、同年6月の大井JCTの通行止め、2017年(平成29年)9月のう回路(上り線)の供用を経て、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の前に更新上り線(暫定下り線)を供用(※3)。つまり、先ほど申し上げた「大きな目標」を達成することができたのです。

(※1)料金徴収期間の延長: 首都高速道路においては、2050年までだった期間を、2065年までに延長。
(※2)事業許可: 東品川桟橋・鮫洲埋立部更新、高速大師橋更新、竹橋・江戸橋JCT付近(後の日本橋区間地下化事業)、池尻・三軒茶屋出入口付近更新・付加車線増設。
(※3)更新上り線(暫定下り線)の供用日: 2020年(令和2年)6月16日。

――最後に、当該事業をはじめ更新・建設局の各事業に対する、今後の思いをお話しください。

諸橋 現在、東品川桟橋・鮫洲埋立部更新では、更新下り線の構築を進めています。この区間は、東京モノレールに非常に近接しており、モノレールの運行に支障を生じさせないよう、桁架設をはじめとした作業については、安全に配慮し慎重に工事を進めています。
 東品川桟橋・鮫洲埋立部更新以外の事業についても鋭意工事を進めており、高速大師橋更新では桁の架け替えに向けた準備工を進め、日本橋区間地下化では本格的に工事着手したところです。また、池尻・三軒茶屋出入口付近更新・付加車線増設に関しては、国土幹線道路部会で議論されている大規模更新・大規模修繕事業に関する新たな知見や、社会的影響を最小化するためのう回路機能の確保等を見据え、検討を進めています。
 東品川桟橋・鮫洲埋立部更新をはじめ、更新・建設局が進めている全事業については、安全かつ着実に工事を進めて参りますので、引き続き皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

諸橋雅之局長