車が活躍し、きらりと光る映画を紹介。

NAVIGATOR:有村昆さん

年間500本もの映画を鑑賞し、最新作からB級映画までを網羅する映画コメンテーター。
テレビ番組や雑誌などで幅広く活躍中。『THE BAY ⭐︎ LINE』(Bayfm78)ではラジオパーソナリティーも務める。

オフィシャルブログ:「アリコンのアリデミーSHOW!」

2019.01Movie 3

山田洋次監督、高倉健さん/武田鉄矢さん/桃井かおりさん出演の不朽の名作

映画名

幸福の黄色いハンカチ(1977年)

車両名

マツダ「ファミリア」

ご存知、山田洋次監督と高倉健さん、武田鉄矢さん、桃井かおりさんが出演した不朽の名作です。

この作品はまさに「車」が主人公と言っても良いでしょう。武田鉄矢さん演じる花田欽也がマツダ「ファミリア」を新車で買って、北海道を旅するところから物語が始まります。

今で言うところのチャラ男の欽也が、桃井かおりさん演じる小川朱美をナンパし、そこに乗り合わせた高倉健さん演じる島勇作と旅をする。
最初は武田さん演じる花田欽也目線で物語が進行していくのですが、途中から高倉さん演じる島勇作が過去なぜ、網走刑務所に入ってしまったのか?と言う目線に切り替わり、謎が明らかとなります。最終的に別れた奥さんが待っててくれるかどうかが物語のカギとなるのです。

だんだんと旅をしていくうちにお互いが傷ついて、そして本音で喋るうちに人間とはいかに脆いものなのかが分かってきて、車がそれを物語るように、最初はピカピカのファミリアもどんどんと劣化してくたびれていきます。汚れ具合がまるで人生を物語っているかのようでした。僕らの人生もなかなかうまくいかない。それでも一筋の光を見出しながら幸せをつかんでいく。まるで幸せの黄色いハンカチに導かれるように。

物語の主人公たちはどこに行っていいのかわからず、とりあえずぶらぶらするところから始まるのですが、次第に目的地が定まっていくさまも山田監督の手腕でしょう。物語が進むにつれカメラワークも、フェリーから車が出て来る引きの画→車内での寄りの画→黄色いハンカチのズームアップ、と言う流れでクローズアップしていきます。まさに人生とは、何かを見つける旅なのでしょう。特に、倍賞千恵子さん演じる元奥さんのいる夕張に向かう車載カメラ目線はドキュメンタリーかのように、本当に緊張感がありました。

このようにロードムービーは映画館と非常に相性がいいのをご存知でしょうか?映画館のシートが車の座席に置き換えられ、最後映画館を出るまで車に乗っている感覚とつながっているように感じます。

ちなみに、作中に無免許運転をしているシーンが出てきますが、絶対にしてはいけませんね。

一覧に戻る

ページトップへ戻る