ヒャダイン

Volume 4
え!一日で世界旅行してるみたい!
~怒涛のはしごデート編~

さて。今日はどこへ行こう。海外旅行っていいですよね。僕も大好きでしょっちゅう行きたいけど仕事があるからそんなに行けるわけない。彼女も仕事があるしさ。休みを合わせるだけで一苦労だ。だけどここは大都市東京。一日で海外旅行気分を味わっちゃえ!てことでまずは新大久保からスタート。女子高校生たちで賑わう街でランチだ。サムギョプサル、チーズタッカルビどっちにしようか。意見がまとまらない。最終的にはじゃんけんで決めることに。彼女がパー、僕がグーで彼女が勝ち。結果サムギョプサルにすることに。韓国訛りの店員さんにオーダーを済ませるとテキパキと鍋の準備。次々と出されるもやしやキムチに彼女はすでにごきげんです。サンチュやエゴマの葉っぱでカリッと焼かれた豚肉を包みパクっといくと顔を見合わせて「マシッソヨ~」。お腹が満たされたあとは彼女の買い物に付き合います。韓国コスメがいいんだって。買い物を済ませてタピオカを飲みながら駐車場へと。

ここからが俺のターン!「次どこいくの?」なんて言う彼女に「まあまあ」なんて言いながら初台南から高速へと。長く続く新しい地下のキレイな道。満腹も伴って彼女はウトウト。眠りを邪魔しないようにジャズでもかけようかな。ちょっと今っぽくブーブレなんかにしておこう。うわー寝息かわいい。さいこー。C2(中央環状線)からB(湾岸線)へ。彼女が目を覚ます。「あ、寝てた、てかここどこー?」すでに車は東扇島あたり。川崎の工場群が見える。「ここ、夜来たら工場の夜景すごいんだよ」と、今度来ようね感を出してみる。本牧ふ頭で長かった高速を降りて新本牧の住宅街へ。ここらへんは電柱が全て地下に埋まっていて日本にいながらアメリカの住宅地のような風景なのだ。「住むにはいいよね」なんて将来も匂わせたりしてね。その後本牧通りを通って赤レンガ倉庫へと。ヨーロッパ建築の横浜の町並みを眺めながら赤レンガ。中にあるカフェ「チャノマ」へと。ここは座席がベッドみたいでこれまた異国情緒。ちょっと甘いもの食べたら今日の仕上げ、横浜中華街へ。レストランだけではない、色んなお土産屋さんや寺院などを散歩する。聞こえてくる中国語も心地よい。一通り散歩したら予約しておいた少しお高めの中国料理店へ。「今日は世界旅行したみたい!」と紹興酒で赤くなった彼女が微笑む。「今度は本当に海外行こうね!」とハネムーンの予約を取り付ける!謝謝だぜ!

この連載も結構続いてますけど、我ながらこれ全部妄想だと思うと本当におっかないです。自分で自分が怖いです。もう何年デートしてないだろう。つらみざわ。

(次回は10月更新予定です)

PROFILEヒャダイン(音楽クリエイター)

1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。
3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。
様々なアーティストへ楽曲提供を行うとともに、自身もタレントとして活動する。

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