首都高速道路株式会社

事業概要

Overview

羽田トンネル付近更新事業、始動。

01羽田トンネルの概要

羽田トンネルとその周辺の紹介

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羽田トンネル
オリンピックを目指して
~羽田トンネルの誕生~

羽田トンネルは、高速1号羽田線の海老取運河横断部に位置する、首都高初の海底トンネルです。
1964年10月の東京オリンピックの開催にあわせて建設され、 1964年8月に開通しました。現在、開通から60年以上が経過しています。
空の玄関口である羽田空港と都心部を結ぶ重要な路線の一部であるため、交通量が多いトンネルとなっています。(現在の交通量は1日約9.6万台。)
長期にわたり多くの交通を支えてきた羽田トンネルは、現在、損傷が多数確認されており、抜本的な更新が必要となっています。

2
羽田トンネル
バイパス路
交通量増加の中で
~バイパス路の開通~

1980年代、モータリゼーションが進んだことにより交通量が大幅に増加し、特に上り線では羽田トンネル付近を先頭とした慢性的な渋滞が発生しました。数年後には羽田線に並行する形で湾岸線の開通が予定されていたため、それまでの暫定的な渋滞対策として、羽田トンネルバイパス路が1990年に整備されました。
バイパス路は、上り線において空港西入口から流入した車両が本線に合流せず(すなわち羽田トンネルを通過せず)に海老取運河を超えることができる橋梁形式で整備されました。
1994年に湾岸線が開通し、大幅に渋滞が緩和したことから、1998年にバイパス路は運用停止となりました。

3
可動橋
これは……橋??
~バイパス路の可動橋~

羽田トンネルバイパス路の海老取運河横断部では可動橋という形式の橋が採用されていました。この可動橋は桁が水平に旋回する珍しい構造となっています。
バイパス路建設当時、海老取運河には多くの大型船舶が航行しており、橋梁をかける際には船舶の航路高を確保する必要がありました。また、羽田空港の滑走路が現在よりも近接していたことから、空港の高さ制限も満たす必要がありました。
それらの制約を同時に満たすために、高速道路では非常に珍しい、可動橋が採用されたのです。
この可動橋もバイパス路と同様に、現在は運用を停止しています。

羽田トンネルの歩み

羽田トンネルの構造を紹介

羽田トンネルは、開削工法 ケーソン工法 沈埋工法 という3つの工法を組み合わせて建設されました。そこには、1964年の東京オリンピックの開催に間に合わせるという社会的使命と、周辺環境への影響を抑えながら施工を行うという難題を同時に解決するための工夫が込められているのです。

羽田トンネルの構造

1つのトンネルに3つの構造⁉
~工期と周辺環境を考えた構造~

羽田トンネルは建設当時、海老取運河における船舶の航行と羽田トンネルの高さ制限の双方の制約条件を満たすために、海底トンネルとして整備されました。
比較的浅い位置にトンネルを施工する際は開削工法が一般的ですが、すべてを開削工法で建設する場合、工期が長くなり東京オリンピックまでに開通が間に合わないこと、船舶の航行へ影響が生じることが想定されました。 そのため、航路部は工期を短縮でき、船舶への影響も最小限となる沈埋工法とケーソン工法を採用し、それ以外の範囲については開削工法を採用しました。
開削部には、トンネル内で生じる排気ガスをトンネル外に排出するために、中床版で仕切られたダクト階が設置されています。また、主に開削工法で施工されていることに加え、複数の工法を組み合わせていることから 構造目地 が多く設けられていることも羽田トンネルの特徴です。

トンネル(沈埋函)を運搬している様子
トンネル(沈埋函)を運搬している様子

02更新事業の概要

60年以上、海底から交通を支え続けて
~羽田トンネルの現状~

羽田トンネルは開通から60年以上が経過した現在も、首都東京の交通の要衝として多くの交通を支え続けています。しかし、過酷な使用状況の中で高齢化が進んでいることに加え、海底トンネルであるために塩害を受けやすい環境下にあり、近年多くの損傷が見つかっています。
主に構造目地からの漏水(海水)が内部に浸入することで、特に開削部の中床版上面では鉄筋の腐食や消失、コンクリートのはく離などが発生しており、耐久性の低下が懸念されています。また、漏水によって走行安全性が確保できず緊急規制に至った回数とその規制時間は年々増加傾向にあります。

羽田トンネルの現状

100年先の未来に続くトンネルへ
~トンネルの抜本的な更新~

こうした損傷に対し、日々トンネルの点検・補修を行い、トンネルの維持管理が進められてきました。適切な維持管理により当面の安全は確保されているものの、100年先の未来においても首都高を安全・安心・快適にご利用いただくため、構造物の抜本的な対策を実施し、トンネルの長寿命化を図ります。
具体的には、中床版など損傷部位の全面的な補修・更新を行うとともに、構造目地からの漏水によって更なる劣化が進行しないよう、導水用の樋(とい)の設置や、繊維シート・防水塗装でトンネル壁面を被覆することによる劣化因子の遮断などの対策を実施します。

トンネルの抜本的な更新
トンネルの断面修復

日常を守りながらのリニューアル
~社会的影響を抑えながら抜本的な対策を~

トンネル部の補修・更新にあたっては、高速道路本線の長期間に及ぶ通行止めや車線規制が必要となりますが、本更新区間の交通量は1日約9.6万台と多く、通行止め等を行った場合の社会的影響は甚大であると想定されます。
そのため、工事中は運用停止中の羽田トンネルバイパス路(可動橋含む)のスペースに、交通機能を確保するためのう回を構築し、通行止め等を行わずにトンネル部の抜本的な対策を行います。
そして、更新後はう回路を上り線(高架3車線化)として本線運用し、羽田トンネルは下り線専用として運用することで渋滞の緩和を図ります。

  • 現況イメージ
  • 更新後イメージ

事業概要

路線名 高速1号羽田線
事業区間 東京都大田区東糀谷六丁目~東京都大田区大森南五丁目
延長 約1.25km
車線数 5車線(上り3車線、下り2車線)
道路の区分 第2種第2級(道路構造令)
完成予定時期 2038年度
  • 完成予定時期は現時点の計画であり、工事の進捗状況などによって変更になる場合があります。

03更新事業の流れ

2025年6月に都市計画変更を行い、同年12月に都市計画事業認可を得て、更新事業を施行しています。2026年3月には事業説明会を開催し、その後、道路の設計や工事説明会などを経て、本格的に工事に着手をします。

更新事業の流れ