首都高速道路株式会社(以下、首都高)は、首都圏の交通・物流を支える重要な社会インフラとして、多くのお客さまの日常生活や経済活動を支えるとともに、災害や事故に備えた防災・安全対策、ならびに迅速な対応体制の整備に日頃から取り組んでいます。今回、こうした首都高の安全を支える仕組みや、災害時に自らの身を守るための行動について次世代に伝えることを目的に、青稜中学校・高等学校にて公開授業を実施しました。本授業は、同校が中学2・3年生を対象に展開する、社会課題について考える探究型の「ゼミナール授業」の一環として行ったものです。
- 開催日
- 時間
- 14:00~15:00 (受付:13:30~)
- 登壇者
-
首都高速道路株式会社 経営企画部 広報課 課長代理
井上 拓也首都高速道路株式会社 保全・交通部 道路情報・交通室 道路情報推進課 係員
小川 陽平首都高速道路株式会社 保全・交通部 防災・交通管理室 防災対策課 係員
鈴木 直人首都高速道路株式会社 保全・交通部 防災・交通管理室 交通管理課 係員
竹中 嶺巨 - 参加者
-
青稜中学校の生徒50名 【ゲスト】 古坂大魔王
- 詳細
-
本公開授業は、6月15日(月)に青稜中学校・高等学校で開催され、青稜中学校2年生24名、3年生24名の計48名が参加しました。授業では、首都高の社員が、山手トンネルをはじめとする長大トンネルの避難設備や、交通管制室・交通パトロールによる安全管理、地震などの災害を想定した対応について紹介。また、昨年12月に山手トンネル内で発生した車両火災に遭遇し、非常口から避難した経験を持つ古坂大魔王さんをゲストに迎え、自身の体験談を交えながら、警報やアナウンスに従って落ち着いて行動することの大切さを伝えました。当日は、生徒から交通管制室の監視体制やバイク隊「黄バイ」の運用などについて質問が寄せられるなど、身近な道路の裏側にある安全対策への関心が高まる様子も見られました。参加した生徒たちは、普段何気なく利用している首都高が、日常の移動を支えるだけでなく、災害時には多くの人々の命を救う道にもなることを学び、社会インフラの役割や防災行動の重要性について理解を深めました。
- 場所
-
青稜中学校・高等学校(東京都品川区二葉1丁目6番6号)
mapmap
開会式後、まず青稜中学校・高等学校の青田泰明校長より挨拶が行われました。青田校長は、首都高が東京の交通や物流を支えるだけでなく、まちの安全や防災、環境、そして未来の社会づくりにも関わるインフラであることに触れ、道路を単なる移動手段としてではなく、その裏側にある工夫や社会課題とあわせて捉える機会にしてほしいと、生徒たちに語りかけました。続いて、首都高速道路株式会社 経営企画部 広報課の井上拓也より、首都高の概要や役割について紹介。首都高は現在327kmにわたり、1日約105万台が利用する首都圏の大動脈であることに加え、食料品や郵便物など、日々の暮らしを支える物流にも深く関わっていることが説明されました。
授業では、「トンネル火災への備え」「交通管制の取り組み」「地震への備え」の3つのテーマに沿って、首都高の防災・災害対策を紹介しました。昨年12月に山手トンネル内で発生した車両火災に遭遇し、実際に非常口から避難した経験を持つ古坂大魔王さんもゲストとして登壇。古坂さんは、火や煙が見えない状況では危険を実感しにくく、「自分は大丈夫」と思ってしまうことがあると自身の体験を振り返りました。そのうえで、警報やアナウンスが流れた際には指示に従って落ち着いて行動すること、そして周囲が動き出せずにいる中で「避難する1人目になること」が大切だと生徒たちに伝えました。
「トンネル火災への備え」については、保全・交通部 道路情報・交通室 道路情報推進課の小川陽平より、トンネル内の警報板や信号機、ラジオ再放送設備、拡声放送設備などの情報提供設備や、非常口への避難方法について解説しました。火災時には案内表示に従って非常口を目指すこと、車を左に寄せて緊急車両の通行路を確保すること、必要に応じて鍵を車内に残して避難することなど、いざという時に命を守る具体的な行動が紹介。小川は「生徒の皆さんはまだ運転する機会はないかもしれませんが、今日学んだことをぜひご家族にも伝えてください」と呼びかけ、生徒たちは自分だけでなく、家族や周囲の人を守るための知識として耳を傾けていました。
続く「交通管制の取り組み」では、保全・交通部 防災・交通管理室 交通管理課の竹中嶺巨が登壇。道路に設置されたカメラや各種設備を活用し、交通管制室が24時間365日体制で事故や故障車、落下物などを監視していることを紹介。トラブルを発見すると、無線で黄色いパトロールカーへ現場急行の指示を出し、現場では車線規制や安全確保などを行うと説明しました。さらに、山手トンネルでは、渋滞時にも機動的に現場へ駆けつけられるバイク隊である黄バイが配備されていることにも触れました。竹中は、首都高では「年間で事故と故障が約1万件ずつ発生しており、落下物は年間約1万9000件も発生している」と説明し、木材だけでなく冷蔵庫や冷凍マグロが落ちていた事例もあると紹介。生徒たちは、普段見えないところで行われている地道な安全管理の取り組みに驚いた様子を見せていました。
授業後半では、「地震への備え」について、保全・交通部 防災・交通管理室 防災対策課の鈴木直人より解説しました。鈴木は、阪神・淡路大震災で高速道路が被害を受けた事例に触れながら、現在の首都高では橋脚などの100%耐震補強が完了していることを紹介。分厚い鉄板を橋脚に巻き立てる補強工事などにより、阪神・淡路大震災クラスの大規模な揺れにも備えた構造へと強化されていることを説明しました。また、首都高上で地震に遭遇した際には、車を道路の左側または右側に寄せて停車し、ラジオなどで情報を確認したうえで、パトロール隊の指示に従うことが重要だと紹介。さらに、高架上から避難が必要になった場合には、非常口の先に設置された非常階段から地上へ降りられることも説明されました。鈴木は「首都高は、地震が起きた際のたくさんの人々の命を救う道になる」と語り、生徒たちは、首都高が日常の移動だけでなく、災害時の救命活動を支える重要な役割を担っていることに理解を深めました。
終盤には、生徒から交通管制室の監視体制や黄バイの運用などについて質問が寄せられ、首都高の社員が一つひとつ回答しました。最後に古坂さんは、「普段たいして興味がないことかもしれないけれど、いざという時に『非常口はあそこにある』『こういう階段がある』と頭の片隅に置いておくだけで、ふっと思い出せる。この一瞬のために今日僕らはやっている」と総括。参加した生徒たちは、道路の裏側にある安全対策や、災害・事故の際に自ら考えて行動することの大切さを学び、全プログラムが終了しました。
