TOP / カレイドスコープシュトコウ / VOL.03 知らなかった!首都高の積雪・凍結対策Q&A

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カレイドスコープシュトコウ

知らなかった!
首都高の積雪・凍結対策
Q&A

本格的な冬を迎え、雪や路面凍結による交通トラブルが心配される季節になりました。
首都高では、積雪や路面凍結に対する備えを強化し、お客さまの安全を守るさまざまな対策に取り組んでいます。

Q1 降雪予報はどうやって収集しているの?

A

首都高では、年間を通して、気象予測会社と連携しながら日々の気象情報を収集しています。冬は、降雪はもちろん、雨が降った後に気温が下がると路面が凍結することもあり、気象予測がとても重要です。首都圏に雪を降らせる「南岸低気圧」は特に天気の予測が難しく、過去12年間のデータの分析結果なども活用しながら予測を行っています。

 降雪や低温の予報が出た場合は、72時間先までの気象情報を重点的に入手し、予報の変化や天気の急変にも対応できるよう、早めに事前準備を始めます。

Q2 雪が降りそうになったらまず何をするの?

A

積雪・凍結のおそれがある場合は、72時間前から、凍結防止剤として散布する塩水の製造、除雪・排雪作業を行うショベルやダンプカーの手配などの事前準備を行います。また、お客さまに対して、首都高HP、mew-ti(道路交通情報アプリ)、公式ツイッターなどのSNS、道路上の文字情報板などを通じて不要不急の外出を控えるよう呼びかけるとともに、やむを得ず運転する場合には冬用タイヤやチェーンの早めの装着を広く呼びかけます。

 雪が予測される時間の少し前には、凍結防止剤の散布を始めます。降り始めるまでには全線で少なくとも1回は散布を終えている状態にし、「積もらせない・凍らせない」対策に努めています。大雪が予測される場合は、お客さまの安全を最優先に考え、事前にしっかり広報を行った上で予防的な通行止めを行います。

凍結防止剤散布の様子

Q3 雪が積もってしまったら、どうするの?

A

雪が降り始めたら、凍結防止剤を散布しながら空のダンプを走らせて路面の雪を融かしていきますが、降雪がさらに強まり、車両の通行が危険と判断された場合は通行止めを行います。

 首都高は路肩が狭いため、雪を寄せておくスペースがほとんどありません。そのため、除雪車両で積もった雪を集める「除雪」と、集めた雪をダンプに積んで道路外に運び出す「排雪」の2段階の作業が必要です。

 また、高架の割合が高い首都高は、路面が上下から冷やされて凍結が起こりやすいという構造上の特徴があります。積雪や凍結による車両の立ち往生を防ぐため、過去の事例や勾配などのデータから車両立ち往生リスクが高い箇所を選定し、カメラによる監視強化、レッカー車の事前待機などの対策を講じています。

路肩に寄せた雪を排雪

Q4 前年と比べて重点的に対策していることは?

A

2018年1月の大雪では、長時間車両が道路に滞留し、通行止めが続くなど、お客さまに多大なご迷惑をお掛けしました。その反省から、気象予報の急変なども見据えつつ、迅速に雪凍対策を実行できるよう取り組みを強化。除排雪や融雪、砕氷に必要な資機材を増やすなど、ハード面の充実も図っています。また、いつどんな事態にも対応できるよう、毎年実践的な雪凍対応訓練を行い、対応する人員の習熟度を高めています。

 将来は、AIによる自動路面判別システム、GPSや準天頂衛星による位置情報を活用した雪凍車両の性能の高度化などで省力化を図りながら、より安全かつ確実な雪凍対策の作業が可能になるよう、取り組みを進めていきたいと考えています。

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