RENEWAL

首都高リニューアルプロジェクト
羽田線(東品川・鮫洲)更新

インタビュー「東品川桟橋・鮫洲埋立部更新」との関わりと今後への期待

「東品川桟橋・鮫洲埋立部更新」を担当する更新・建設局の新垣博史 事業推進部長(東京地区)に、当該事業との関わりや、苦労した点、今後の思いなどを聞きました。

新垣博史氏

――事業推進部長(東京地区)に就任された時のお気持ちをお聞かせください。

新垣 2020年(令和2年)7月に現職を拝命し、はや1年以上が経過しました。その時は、特に思い入れの強い「東品川桟橋・鮫洲埋立部更新(以下、東品川・鮫洲)」に再び建設局で携われる喜びと同時に、その責任の重さに身の引き締まる思いでした。
 また、東品川・鮫洲は“首都高リニューアルプロジェクトの第一弾”ですが、同じ東京地区における更新事業として後に続く「池尻・三軒茶屋入口付近更新・付加車線増設」についても、東品川・鮫洲の経験を踏まえて慎重に実施していきたいという気持ちでした。

――「東品川桟橋・鮫洲埋立部更新」との関わりを教えてください。

新垣 2015年(平成27年)7月に、更新・建設局の東京地区の前身である東京西局プロジェクト本部が発足し、当時のプロジェクト管理課長として東品川・鮫洲と初めて関わりを持ちました。同年8月に本体工事が契約され、全体工程管理、協議調整、工事説明会や工事安全祈願祭の実施、最初のマスコミ現場公開など、工事の初期段階での事業管理を現場で担当させていただきました。
 その後、2016年(平成28年)7月から2020年(令和2年)6月までの4年間は、プロジェクト部(※1)において、東品川・鮫洲ほか全ての更新・建設・改築事業等の社内調整や方針決定する業務に従事しました。その際、更新工事に伴う大井JCT通行止めから再供用、2020年6月の暫定下り線の切替まで、間接的ではありますが、ずっと本事業に関わってきました。

(※1)プロジェクト部: 本社組織、現在の更新・建設部。

――当該事業についての困難や、苦労した点はどのようなものがありましたか。

新垣 首都高初めての更新事業であり、これまでに経験のない工事内容、工事規模ですので、困難や苦労は数え上げるときりがありませんが、個人的には、工事スタート時のことを思い出します。
 東京2020オリンピック・パラリンピック協議大会までに、上りう回路と更新上り線(暫定下り線)を完成させるという目標のもと、事業全体工程精査、諸課題の整理、当面の工事スケジュールの作成などが最初の仕事でした。
 一般的な建設工事とは異なり、東品川・鮫洲は、京浜運河と東京モノレール、既設高速1号羽田線沿線の建物などに囲まれた狭隘(きょうあい)な場所で施工する必要があります。約10年という長期間に渡る本体工事の契約後、いかに早く現場着手するかというのが当初の使命であり、まずは工事現場への動線を確保することが課題であったため、5つの工事進入路を計画し、大至急で準備工事を進めました。
 その後、2016年2月の現場着手から4年4カ月という短期間で更新上り線まで完成し、既設1号羽田線の交通を新しい道路に移せたことは、工事受注者はじめ関係した多くの方々の努力の賜物であり、地元の皆様や関係機関のご理解とご協力のおかげだと改めて感じています。

――当該事業に対する、今後の思いを聞かせてください。

新垣 東品川・鮫洲は既設下り線の更新という次の大きなステップに入っています。今まで同様、まずは安全第一で着実に工事を進めたいと思います。その上で、本事業が首都高リニューアルプロジェクトの代表として、未来の首都東京のレガシーのひとつとなるよう、最後までこだわりをもって完成させたいというのが今の一番の思いです。
 更新した構造物は耐久性、維持管理性に優れ、景観にも十分配慮していますが、さらに地元の皆様にも喜ばれるような完成形にできればと考えています。
 また、東品川・鮫洲から得られた技術・ノウハウを次世代に継承すべく、若手技術者に対する指導も行っていきたいと思います。
 引き続き、皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

新垣博史氏