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Drive lecture
Vol.01 坂道 × 錯視
「上りと思ったら下りだった…!?」
ドライバー心理を惑わす坂道にご注意!

首都高心理ナビゲーター
「錯視」とはその言葉の通り「目(視覚)の錯覚」のことですが、実はドライブ中にこの「錯視」が度々発生するのをご存じでしょうか? 目の錯覚を起こすことで運転の判断を誤る恐れもあるため、どのようなケースで発生するのかを事前に把握し、備えておくことが大切です。運転シーンにおける錯視にもさまざまなタイプがありますが、今回は坂道で起こり得る錯視について、一緒に見ていきましょう。
「前方に上り坂がある?」実はそれ、錯視(目の錯覚)かも!

運転をしていると、急な坂や緩やかな坂、カーブのある坂など、様々な坂道に遭遇します。そんな坂道では、「上り坂が下りに見える」「下り坂が上りに見える」という目の錯覚が起こる可能性があり、特に「サグ部」と呼ばれるV字のゆるやかな坂道など、傾斜が異なる道路が連なっているケースでそれが発生しやすいとされています。このような坂は地域によって「ゆうれい坂」や「おばけ坂」、「ミステリー坂」などと呼ばれるなど、ドライバー心理を惑わす坂道として、注意の対象となっていることがうかがえます。
人の目は間違えやすい!?「錯視のワナ」に気をつけよう

錯視が発生する原因や錯視の種類はさまざまですが、ひとつの例として上図の「●」で示した錯視があります。これは「エビングハウス錯視」という有名な錯視で、周囲の情報(周囲の「●」)に影響されて、中心の「●」だけを見ることができず、大きさに違いがあると認識してしまう、というものです。これと同じようなことが、実は運転シーンでも度々起こっています。
一本道の坂で起こり得る「縦断勾配錯視」

「上り坂が下りに見える」「下り坂が上りに見える」という錯視は「縦断勾配錯視」などと呼ばれています。例えば傾斜の異なる下り2段の坂を走行しているとき、奥(2段目)の坂も客観的には下り坂にも関わらず、正面から見ているドライバーの視点では上り坂に見えてしまうことがあります(上図参照)。
上図のような縦断勾配錯視が発生しやすい坂道を走行する際、2段目の坂をドライバーが上り坂に錯覚するため、アクセルを踏み込んで車両速度が上昇し、前の車との車間距離が近くなる可能性があります。

また、ゆるやかな下り坂と上り坂が連なるサグ部では、上り坂になっていることに気づかず無意識に減速してしまい、後続車との車間距離が近くなることも起こり得ます。
「坂道では錯視が起こり得るかもしれない」ということを事前知識として把握しておき、注意しながら走行していきましょう。
首都高では錯視が起こり得るサグ部に「エスコートライト」を設置

無意識の速度低下が起こりやすいサグ部やトンネル内などに、首都高は「エスコートライト」を設置しています。車両の走行速度より少し早い速度で誘導灯を流し、その視覚効果で無意識の速度低下を防ぎます。

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次回の首都高ドライブ心理ハックは9月15日更新予定です