我が国では、1950年代からモータリゼーションが急速に進展。
その一方で道路整備が遅れ、東京都心部では慢性的な交通渋滞が問題になりました。
この渋滞の緩和を目指し、首都高速道路の建設は始められ、
1962年12月に、初めての首都高路線として、京橋から芝浦までの4.5kmが開通しました。
以後、延伸を続け、首都圏の大動脈として経済発展を支え続けています。
Background / Project
事業の経緯
首都高日本橋区間が
できるまで
首都高の成り立ち
日本橋周辺における首都高の開通
日本橋川上空を走る首都高 都心環状線は、
1964年の東京オリンピックを翌年に控えた1963年12月21日に開通しました。
既に建物が密集した東京都心部においては、
モータリゼーションの急拡大による交通需要の増加に早急に対応するために、
川や道路などの公用地の上空を使用して建設を行いました。
100年先の未来に続く
道路にリニューアル
構造物の高齢化と過酷な使用状況
開通から半世紀以上が経過した、日本橋川上空の首都高。構造物の高齢化に加え、
この区間は1日あたり約10万台の自動車が走行する過酷な使用状況にあり、
支承部の疲労き裂やコンクリート床版のひび割れなど多数の損傷が発生しています。
きめ細やかな点検と補修により、お客様の安全・安心を追求していますが、
長期的な安全性の確保のために抜本的な対策が必要となっています。
安全・安心な新しい「道」へ
新しい日本橋の「まち」へ
きめ細やかな点検と適切な補修により、日々の安全・安心を確保していますが、
構造物の長期的な安全性を確保するため、
長期の耐久性と維持管理性を備えたより優れた構造へリニューアルを進めています。
また、建物の地下にトンネルを整備することで、
日本橋のまちづくりと一体となって、地域の魅力のさらなる向上に貢献します。
Background / Tunnel
地下化の経緯
周辺関係者の
それぞれの思いを集約
これまで日本橋周辺の在り方については、議論がされてきました。
一方、2014年にこの区間も含めた首都高の大規模更新計画が策定されるとともに、
2016年には日本橋周辺で検討が進むまちづくりの取り組みが、
国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加されました。
この機会を捉え、「首都高日本橋地下化検討会」が設置され、
日本橋周辺のまちづくりと連携し、首都高の地下化に向けて、検討が行われました。
その後、2019年に神田橋JCT~江戸橋JCT間を
地下ルートで整備することが決定しました。
首都高日本橋区間地下化の検討経緯
Collaboration with Redevelopments
再開発との連携
新しい日本橋の「まち」へ
日本橋川周辺のまちづくりの取り組みは、国家戦略特区の都市再生プロジェクトに位置付けられ、
多くの再開発計画が立ち上がり、新しいまちづくりが始まろうとしています。
首都高速道路株式会社は「立体道路制度」を活用し、建物の地下にトンネルを整備することで、
これらのまちづくりと一体となって地下化事業に取り組み、地域の魅力のさらなる向上に貢献します。
それにより、日本橋川周辺の景観や環境の改善が図られ、新しい日本橋の「まち」へ生まれ変わります。
立体道路制度とは?
立体道路制度は、道路として利用する
範囲を立体的に定めることで、
道路敷地の上下空間に建物の建設を可能とするものです。
地下化事業では、立体道路制度の活用により、
道路トンネルの上部にも建物の建設を
可能とすることで、敷地の有効活用を図っています。
Route
ルート概要
神田橋JCT~江戸橋JCT間を
地下ルートで整備
Effect
地下化の効果
車の走行性が向上
地下ルートでは、従来の高架橋よりも路肩を広く確保することができます。
そのため空間的余裕が増し、車の走行性が向上します。
また万が一、車両が路肩に停止していても通行することができます。
標準断面図
江戸橋JCT周辺の交通状況が改善
江戸橋JCTの都心環状線連結路は、地下ルートの開通後に廃止され、
代わりに 八重洲線をご利用いただくことになります。
これにより江戸橋JCT周辺の渋滞が緩和され、交通状況の改善が見込まれています。
交通状況の変化(イメージ)
日本橋川上空に青空を
地下ルートの開通後、これまでの高架橋を撤去する工事が始まります。
撤去が完了すれば、歴史ある日本橋の上空を覆う構造物がなくなり、
日本橋の景観が新しくなります。併せて新しいまちづくりが進められるため、地域の魅力がさらに高まります。
再開発の計画はイメージです。
Information
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