呉服橋・江戸橋出入口撤去の桁撤去工における「潮位の変動を利用した撤去」
2023.12.15

今回の記事でご紹介する撤去工法は「潮位の変動を利用した撤去」です。
日本橋川は東京湾とつながっているため、半日で最大2m程度水位が変化します。今回はその日本橋の潮位変化を利用して橋桁の撤去を行っています。あらかじめセッティングビームと呼ばれる仮設材を通して橋桁の荷重を受け、橋桁の両端を事前に切断します(STEP1)。
橋桁の下に台船を配置し(STEP2)、潮位が上昇することで、橋桁の荷重をセッティングビームから台船に受け替えてセッティングビームを撤去します(STEP3)。その後、潮位の下降と共に橋桁を降下させます(STEP4)。橋桁は台船上で小割切断し、クレーンで陸揚げ搬出を行います(STEP5)。
橋桁撤去 荷重の受け替えステップ

潮位を利用した撤去を行う理由
今回撤去する呉服橋出入口の上部には、都心環状線の本線が通っています。江戸橋出入口と同様に、廃止した呉服橋出入口の地上部分にクレーンを配置し、切断した橋桁を吊り上げ・旋回して搬出を行うと、クレーンのアームが都心環状線の本線に当たってしまいます。
また、撤去する橋桁がカーブしており、ジャッキを用いて降下するとバランスを取ることが難しいため、安全に橋桁の荷重を受け替えることが可能な方法として、潮位の変動を利用して台船に橋桁を降下させる撤去工法を採用しました。






工法の対象区間

呉服橋出入口 | 桁撤去工法 |
---|---|
4009-4010 | ❸クレーンによる撤去 (半断面施工) |
4010-4011 | ❸クレーンによる撤去 (半断面施工) |
4011-4012 | ❶ジャッキによる降下 |
4012-4013 | ❶ジャッキによる降下 |
4013-橋台 | ❹潮位の変動を利用した撤去 |