おおはし里の杜

おおはし里の杜とは?

大橋ジャンクションの内側に位置する大橋換気所の屋上につくられた、
「自然再生緑地 おおはし里の杜」。 人と自然とのかかわりが豊かであった時代をイメージし、
斜面林や草地、小川のせせらぎなどが再現された場所となっています。

自然再生の緑
「おおはし里の杜」

「おおはし里の杜」は、かつての目黒川周辺の原風景をモデルに、
大橋ジャンクション内のトンネル換気所屋上に整備した自然再生緑地です。

昭和初期の目黒川周辺には谷部と段丘があり、谷部には水田等の湿地、段丘には茅などの草地が広がり、
段丘崖には斜面林や湧水地、せせらぎが分布していたと考えられています。

換気所の建物には換気のための勾配があり、その勾配を利用してかつての目黒川周辺の自然を復元しています。

かつてこの地域にあった多様な生きものの生育・生息空間のイメージ

おおはし里の杜とその周辺の緑

おおはし里の杜が位置する大橋ジャンクションは、
「大橋"グリーン"ジャンクション」と銘打ち、都会の中で貴重な緑を育んでいます。

A

自然再生の緑~おおはし里の杜~

地域の緑や目黒川の自然と連携するエコロジカル・ネットワークの拠点の一つとして地域の環境改善に寄与できる緑化空間となっています。

B

公園の緑~目黒天空庭園~

全国初となるジャンクション屋上に造られた公園で、一周400mの巨大なループ形状は高い所で地上35m、低い所でも7mと高低差があることが特徴です。建物の屋上とは思えない緑豊かな公園です。

C

街並みの緑~壁面緑化~

大橋ジャンクションでは、周辺環境との調和を考え、常緑のツタであるオオイタビによる壁面緑化を行っています。
オオイタビは年間30~50cm程度と成長に時間がかかりますが、時の経過とともに緑で包まれることが期待されています。

エコロジカル・
ネットワークとは?

エコロジカル・ネットワークとは、分断された生物種の生育・生息空間を相互に連結することにより、
劣化した生態系の回復を図り、生物多様性の保全を図ろうとする構想及び実践活動のことです。

おおはし里の杜は、目黒川を軸として代々木公園等周辺の緑をつなぐ
エコロジカル・ネットワークの拠点の一つとしての役割を担っています。

主な
鳥類
オオタカ/カルガモ/メジロ/シジュウカラ/ヒヨドリ
主な
昆虫類
(陸生)
シオカラトンボ/ハラオカメコオロギ/ハラビロカマキリ/オンブバッタ/コバネイナゴ/アブラゼミ/ナミテントウ/オオハナアブ/イチモンジセセリ/ナミアゲハ/キタキチョウ/モンシロチョウ/ツマグロヒョウモン
主な
昆虫類
(水生)
アジアイトトンボ(ヤゴ)/シオカラトンボ(ヤゴ)/クロスジギンヤンマ(ヤゴ)/フタバコカゲロウ/アメンボ
エコロジカル・ネットワークのイメージ

おおはし里の杜で
見られる生き物・植物

モニタリング調査では、地域の池からメダカ等や昆虫・水生生物の繁殖、
多くの鳥類の飛来が確認されています。

ミナミメダカ
シオカラトンボ
カワニナ
カルガモ
メジロ
ヒヨドリ
コウホネ
オカトラノオ
オミナエシ
オオタカ

その他、おおはし里の杜で
確認できる動植物一覧はこちら

おおはし里の杜にやってきた生きものの様子こちら

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オオタカが飛来!?

2019年度以降、オオタカが継続的に飛来しており、
おおはし里の杜を捕食場所として利用している姿も確認されています。

オオタカがどこから飛来したか不明ですが、
繁殖地として公表されている明治神宮や国立科学博物館附属自然教育園の方向へ 飛び立つ姿、および餌を持ち帰る姿が観測されており、巣で待つヒナに運んでいるのかもしれません。

稲作体験を通じた
子どもたちの学びへの貢献

近隣地域の小学生を招待し、稲作体験(田植え、稲刈り、脱穀)や自然観察会を開催しています。
これらの体験を通じて自然学習や農体験、食育など多面的な学習に寄与しています。

田植え
自然観察会
稲刈り
脱穀

継続した取り組みへの評価

おおはし里の杜での様々な取り組みが、外部からも高い評価を頂いております。

「自然共生サイト」に認定

2023年度、環境省の「自然共生サイト」に認定されました。大橋ジャンクションと一体整備された換気所屋上という特殊な場所で、生態系に配慮しながら緑地空間を創出するとともに地域社会に貢献している点や、エコロジカル・ネットワークの形成等が都市緑化の優良モデルとなっている点などが評価されました。
評価されたポイントはこちら

  • 「自然共生サイト」とは、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する区域のこと。認定された区域のうち、保護地域との重複を除いた区域は、「OECM(保護地域以外の生物多様性保全に資する区域)」として国際データベースに登録される。

「SEGES」に認定

2020年度、生態系に配慮しながら緑地空間を創出した点や稲作体験の実施などの地域社会への貢献が高く評価され、社会・環境貢献緑地評価システム「SEGES」の「そだてる緑」Excellent2に認定されました。
2023年度には緑地の利活用に積極的に取り組んだ点などが評価されてExcellent3に昇格しました。

  • 「SEGES」(Social and Environmental Green Evaluation System)とは、企業等によって創出された良好な緑地と日頃の活動、取り組みを評価し、社会・環境に貢献している、良好に維持されている緑地であると認定する制度。

江戸のみどり登録緑地に登録

2019年8月21日に、東京都の在来種植栽制度「江戸のみどり登録緑地(※)」に登録されました。在来種にこだわった植栽や、整備から約6年の間、自然の状態に近い樹形等を維持するために過度な刈込を行わない等生態系を守る取り組みを徹底するとともに、農薬を使わないなど自然環境への配慮も行っていることなどが評価されました。

  • 「江戸のみどり登録緑地」:在来種を積極的に植栽し、生物多様性の保全に取り組む緑地を東京都が登録・公表する制度

JHEP認証”AAA”
(最高ランク)取得

平成28年9月21日に「JHEP認証」の最高ランクである“AAA”を取得しました。かつての目黒川周辺の原風景をモデルに、地域本来の自然を手本にして苗木の種類を在来種に限定するなど、良質な自然地を回復しました。
また整備開始より、自然の樹形や草原の成育のために過度な刈り込みを行わないことや、在来種の育成のために外来種の駆除を行うなどの維持管理を徹底してきました。これらの取り組みが評価され、JHEPの中で最高ランクの『AAA』の認証となりました。

  • JHEP認証(Japan Habitat Evaluation and Certification Program)とは、 企業等の取り組みについて、生物多様性への貢献度や影響度を事業の前後で比較し定量評価するもの。日本では公益財団法人日本生態系協会が評価し認証している。1970~1980年代に環境を定量的に評価する手法として、アメリカ内務省で開発されたHEPの日本版。

「おおはし里の杜」は生き物への配慮等のため普段は入ることができませんが、
年に数回一般公開を行っています。ぜひ遊びにいらしてください。

2024年度公開スケジュール(予定)
第1回 2024年6月8日(土)10:00~16:00(詳細はこちら)
第2回 2024年7月18日(木)10:00~16:00(詳細はこちら)
第3回 2024年8月頃
第4回 2024年9月頃
第5回 2024年11月頃
第6回 2025年3月頃

おおはし里の杜、
および稲の成長の様子

「首都高
カーボンニュートラル戦略」
の具体的な取り組みについて
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