2024年度 首都高の環境への取り組み Vol.5

見沼たんぼ
首都高ビオトープ

お笑いコンビ「ザ・ギース」さんによる、 首都高の環境への取り組みを紹介いただく記事の第五弾として、今回は「見沼たんぼ首都高ビオトープ」をレポートしていただきました!

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今回は埼玉新都心線の高架下に広がる「見沼たんぼ首都高ビオトープ」のレポートを自然を愛する男ザ・ギース尾関がお届けします。

さいたまスーパーアリーナでお馴染み、さいたま新都心駅から車でわずか10分。
のどかな田んぼが広がる土地に「見沼たんぼ首都高ビオトープ」はあります。その広さなんと6.3ha。東京ドーム約1.5個分なのだとか!
首都近郊に残された希少な緑地空間「見沼たんぼ」の生態系を維持するために整備されたこちらのビオトープ。高速道路の高架下には、この地域の在来種が植栽されています。

植栽された樹木は周辺の日照への影響を少なくするため、高速道路の高さにあわせた樹種を選定しており、高木樹林ゾーンから低木樹林ゾーンまで周辺環境に調和するような景観となっています。高架の下にはもともと湿地だったこの地域の特性を活かし、池や沼、湿・乾性の草地が広がっています。

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首都高ビオトープは一体どのような管理をされているのか、首都高の社員の方が教えてくれました。こちらで行われているのは「順応的管理」と呼ばれる、モニタリング調査結果を基に、動植物の生息・生育状況に応じて、管理手法を見直しながら目指すべき状態を維持する手法です。

地域の生態系を再生した
見沼たんぼ
首都高ビオトープ

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遺伝子レベルでの生態系を守るため、見沼たんぼの地域にある在来植物の種子を集めて、近隣の農家さんに委託して苗を育て、その苗の数なんと21,500本を植えて地域の生態系を再生した見沼たんぼ首都高ビオトープ。

近年増えてきた外来動植物を除去するのも首都高の大事なお仕事。特にアレチウリと言うウリの仲間の繁殖力は想像を超えるものがあるそうです。

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さらに最近「条件付特定外来生物」に指定されたアメリカザリガニ対策も行っています。

なんと「アメリカザリガニ返し」!弥生時代のねずみ返しを彷彿とさせるこちらの囲いで、アメリカザリガニの侵入をシャットアウトしているとのこと。それでも隙間を縫って侵入してくることもあるといい、アメリカザリガニの繁殖力の強さを痛感しました。

そのような管理のおかげでこちらでは昔からこの地域に根付く植物、生物が多く見受けられます。
チガヤという春に白いワタをつける可愛らしい植物もこちらで植栽されたもの。ミゾコウジュという紫色の小さな花をつける絶滅危惧Ⅱ類の植物などもこちらでは確認することができます。

植物だけではない
自然の共生空間とは?

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そしてその植物の繁殖に欠かせない虫たちの環境も整備されています。こちらがなんだかわかりますか・・・?
正解は・・・・。

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インセクトホテル!虫さんの宿になります。こちらで植物の繁殖を手伝ってくれる「ドロバチ」が巣を作ることが頻繁にあるそうです。ホテル住まいのハチ・・・・羨ましい限りです!
さらに動物たちも。タヌキやイタチなどもこちらに姿を見せます。そしてこんな鳥も。

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なんとカワセミも姿を見せるそうです!あの綺麗な鳥の姿を見るだけでテンションが上がりますよね。

首都高が守る
昔ながらの自然

そしてこの区域では埼玉県を代表する、ある生物の繁殖を行っています。その名も「ミドリシジミ」。埼玉県のシンボルにもなっている、とても綺麗な緑色の蝶です。
近年その個体数を減らしているミドリシジミ。ミドリシジミの幼虫はハンノキの葉っぱしか食べません。そのため、ミドリシジミの復活にはハンノキが必要不可欠なのです。
そのハンノキも近隣の中学生が種から苗を育て、その苗が見沼たんぼ首都高ビオトープで植栽されています。なんとミドリシジミの姿も確認されているとのことで、この辺りでミドリシジミの姿を見る機会が増えるかもしれませんね。

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首都高の高架下には我々が思いもしないような、昔ながらの自然が守られていたのでした。