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特殊非開削トンネル工法(MMST)



概要

MMST(マルチ・マイクロ・シールドトンネル)工法とは、トンネル外殻部に先行して小断面の矩形単体トンネル(鋼殻)を複数構築し、単体トンネル内部と単体トンネル同士の接続部を鉄筋コンクリート構造として外殻部を構築した後、内部断面の掘削により大断面トンネルを構築する特殊非開削トンネル工法です。

接続部の大きさにより変断面も可能であり、複雑な線形に対応できるのが最大の特徴です。また、小断面シールドであるため地盤変状に対して有利であり、土被りを小さくすることが可能となります。さらには、内部の掘削を通常の掘削機械で行えることから、産業廃棄物となる残土量が少ないのも大きな特徴です。

高速神奈川6号川崎線にて、世界で初めて適用しました。



単体トンネル間の接続構造

単体トンネルの鋼殻の主桁を外殻部のSRC構造として活用するために、単体トンネル同士の接続構造は、主桁位置に接続鉄筋を配置しますが、主桁から接続鉄筋への力の伝達ができ、かつ施工のずれを吸収可能な支圧板方式による接合形式を適用しています。



トンネル内空間の有効活用

道路空間だけでは生まれてしまうデッドスペースは、共同溝の併設等により有効活用することができます。

施工手順
  1.  ① 外殻部を複数の小断面シールドマシンにより先行掘削し単体トンネルを鋼殻で構築
  2.  ② 単体トンネルの施工完了後、鋼殻の一部を撤去し、単体トンネル間の土砂を掘削
  3.  ③ 単体トンネル内と接続部の配筋
  4.  ④ コンクリートの打込みを行い、外殻躯体の構築
  5.  ⑤ 立坑より内部断面を掘削し大断面トンネルを構築
  6.  ⑥ 内部空間の構築


なお、単体トンネル間の影響最小限とし、全体系の施工の安定性を図る手順として、底版側中央→側壁下半部→底版両側部→側壁上半部→頂版の真ん中→頂版の両側部の施工手順で、順次接続部の接合および配筋・コンクリート打ち込みを行うことで、施工安定性を確保しました。