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シールドトンネル拡幅技術(1)<併設トンネルの切開き(1)>



首都高では、地上の交通や沿道の環境、地下のライフラインに与える影響を極力少なくするために、山手トンネルの地上と連絡する出入口等については、シールドトンネル構築後に切り開いて施工する新技術を開発、実施工に適用しています。

分合流部は出入口トンネルの深度に応じて断面が変化するため、トンネル延長方向に非常に複雑な構造となります。これらの分合流部の施工に対して、併設された分合流部の地盤を掘削し、鋼殻の一部を撤去したのちRC躯体を接合する「シールドトンネル切開き工法」を開発しました。

このような工法は地下鉄の駅部等で事例はあるものの、今回のように大規模かつ断面変化が複雑で延長の長い切開き工事への適用は初めてでした。

この切開き工法は、まず中央環状線山手トンネルの先行整備区間である山手トンネル(3号渋谷線~5号池袋線)の5か所の出入口・JCTに適用されており、中でも西新宿JCT北、および富ヶ谷出入口においては、非開削による切開き工法を採用することで、地上にほとんど影響を与えない出入口等の施工を可能としました。

大断面シールドトンネル切開き工法は、今後の大深度地下トンネル建設や他のインフラ整備などにも大いに貢献できる技術を提供できるものとして、2007年度 土木学会技術開発賞に受賞しました。



また、非開削による切開き工法のうち富ヶ谷出入口で初めて適用した「太径曲線パイプルーフ工法」は、先行構築された並行する二本のシールドトンネル間の上下にシールドトンネル内から円弧上に鋼管で曲線パイプルーフを構築し、鋼管同士の隙間の地盤を凍結した後、シールドトンネル間を非開削で切り広げる工法であり、その際の土圧を支える土留め壁を必要としない工法です。

本工法はわが国の技術の発展に大いに寄与するものと認められ、2006年度 土木学会技術開発賞を受賞しました。また、その他にも日経BP技術賞、第10回国土技術開発賞、第3回ものづくり日本大賞といった数々の賞を受賞しています。



【大断面シールドトンネル切開き工法の受賞リンク】


【太径曲線パイプルーフ工法の受賞リンク】