9月26日(月)に見沼田んぼ首都高ビオトープにて、日本大学生物資源科学部生命農学科緑地環境科学研究室3・4年生の皆さんと環境実習を行いました。
同学部の准教授で首都高ビオトープ検討会委員でもある葉山嘉一先生を中心に実習がスタート。
午前中は、首都高ビオトープの現状と課題について学び、
午後はカワセミが巣として利用する営巣地(巣を作るための場所)の改善作業体験を行いました。
提供:公益財団法人日本生態系協会
カワセミは、水辺を好む貴重な鳥で、土に横穴を掘り、巣を作ります。
上の写真の木枠で囲われたものが、営巣土塁(えいそうどるい)と言います。
これは、カワセミが巣を作りやすいように、敵の侵入を防ぐために築いた土の堤防のようなものです。
写真では見えませんが、池側は木枠がなく、土がむき出しになっており、そこにカワセミが巣を作ります。
1つ目の作業では、この営巣土塁と池の間の堆積物を取り除きます。
営巣土塁と池の水を近づけることで、外敵の侵入をより防ぐことができるとともに、
カワセミが繁殖のために飛来しやすくなるのです。
2つ目の作業では、営巣土塁の対岸に柴垣(しばがき:木の小枝で作った柵)を設置します。
カワセミが安心して子育てできるよう、カワセミ等の観察をする人をカワセミから見えなくします。
ここでは、9 月16 日に作成した粗朶(そだ)と丸太の杭を使用します。
「粗朶」とは、下の写真のような細い木の枝を束にしたもののことです。
ぬかるんだ足元に注意しながら、皆で協力しながら粗朶を運びます。
手前が営巣土塁を改善している様子、池の向こう側では柴垣を設置しています。
丸太杭を脚立やハンマーを使って地面に打ち込み、杭の間に粗朶を積み上げ、無事に柴垣が完成しました!
参加した学生さんから、「いい経験になった」「生態系が少しでも改善されればいいです」と感想をいただきました。
日本大学生物資源科学部生命農学科緑地環境科学研究室の皆さん、ありがとうございました。
首都高では、これからもより多くの皆様に、ビオトープの保全活動にご参加いただきながら、
都会の近くに残る身近な自然を感じてもらい、地域密着型のビオトープを育てていきます!