Volume 1
レインボーブリッジは俺達だけのもの
~憧れのバックハグデート編~
さて。今日はどこに行きますか。この子と付き合うんだろうな、そんな予感がしながらも決定打がない。そんなヤキモキしている時はドライブが一番ですよね!公式に許された密閉空間、それが車。暗くて狭いよロマンティックだよ。ドライバーでもあるしDJにもなれちゃうよ。自分セレクトの音楽を奏でながら首都高を走るのは最高の体験だと思っております。
まだお互いのことをわかりあえてない、でもフワフワした感情を持ち合ってる二人が目指すのはレインボーブリッジ、ではなく、晴海埠頭。灯台もと暗し、なんてことわざがありますが、キレイな橋って遠くから見てたらロマンティックだけど実際通行してる時はその全貌が見えなくてガッカリしちゃいがちです。あと、運転手がよそ見出来ないから夜景も見えないというデメリットも。それって助手席の子だけが得をしてなんか嫌じゃないですか。僕は恋愛において全てイーブンでいたいんです!となると、晴海埠頭ですよ!
浜崎橋ジャンクションを左に曲がり、そのまま左車線で汐留出口、埋立地を経由してオリンピック選手村の建設ラッシュ中の晴海へ。「わ!もうこんなにできてるんだ!」とか「オリンピックといえばさあ・・・」とか話題も盛り上がることでしょう。新しい道もガンガンできてるし、これから僕らが作る新しい道も暗喩してくれてるのかな、とか言ったりして。本来フェリー乗り場である晴海埠頭は駐車場もたくさん。そこから公園へと二人肩を寄せ合って歩いていく。夜6時半、夕暮れ時です。空は青と白とオレンジのグラデーションでまるで小洒落たカクテルのよう。程なくして「わあ!」という声が聞こえる。そう。晴海ふ頭公園から見えるのはレインボーブリッジの全景!キラキラと彩られた橋の全景がほんとすぐそばに見えるのです。しかも人がほとんどいない。「・・・キレイ」と呟く声が聞こえる。フフっと笑いながら「ね、キレイでしょ」って答える僕。「写真撮ろ!」とセルフィーで何枚もパシャパシャと。橋の全景を入れるために必然的に肩と肩の距離が近くなります。「ねえ。こうしたほうがよくない?」そうささやく僕はソソソと彼女にバックハグ!顔と顔を寄せ合いセルフィー!ふーーー!埠頭は風を遮るものがなく、正直冷えます。「寒いねー」なんて言うもんだからバックハグをギューーですよ。俺があっためてやるぜ。日は落ちていくけど二人の恋愛ボルテージは上がる一方!!日が落ちきって真っ暗になったら「お腹へったね!レストラン行こうか!」はい!ととのった!
ま、俺は成功したことないし、全部妄想なんですけどね!!!はぁぁぁぁ。
(次回は7月更新予定です)
PROFILEヒャダイン(音楽クリエイター)
1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。
3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。
様々なアーティストへ楽曲提供を行うとともに、自身もタレントとして活動する。